北朝鮮、米兵の遺骨を引き渡し 朝鮮戦争から65年
韓国・烏山空軍基地(CNN) 朝鮮戦争で死亡した米兵のものとされる遺骨が27日に北朝鮮から返還され、米空軍機に乗せられて北朝鮮を離れた。ホワイトハウスが明らかにした。
遺骨は朝鮮戦争の休戦協定締結から65年に当たる同日、北朝鮮が米国に引き渡した。朝鮮戦争では米兵数万人と中国兵60万人、韓国兵60万人が命を落とし、朝鮮半島の民間人100万人以上が犠牲になった。
ホワイトハウスの発表によると、米空軍機C17は27日午前、韓国の烏山空軍基地を出発し、東部沿岸の元山市に到着した。
米当局者がCNNに語ったところでは、北朝鮮はまず55柱の遺骨を引き渡したと説明している。
今後は数カ月かけてDNA鑑定を行い、米兵の身元を確認する作業を進める。
遺骨は北朝鮮を離れる前にそれぞれの写真を撮影し、烏山空軍基地に到着後、遺骨や制服、身分証などについて米国の専門家が詳しく調査すると伝えられていた。その後はハワイにある軍の研究所に運んでDNA鑑定を行う。
米兵の遺骨の返還は、シンガポールで6月に行われた米朝首脳会談で、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が米国のトランプ大統領に約束した。
ホワイトハウスは声明の中で、「委員長が大統領と交わした米兵の遺骨返還の約束の一部を実行に移した」「北朝鮮の行動と、前向きな変化に向けた機運を歓迎する」と評価している。