視覚障害のインド人女性、護身のため柔道に挑戦 今では王者に

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マディヤプラデシュ州の自宅で/Arko Datto/Noor for Sightsavers

マディヤプラデシュ州の自宅で/Arko Datto/Noor for Sightsavers

それが今日では、ゴウドさんはプロジェクトの広告塔的な存在になっている。若い柔道家の面倒を見ており、国際大会にも出場した。

「柔道を始めたのは護身が唯一の目的」「プログラムの主な狙いもそこにあった。始めた当初は柔道の護身術に関してそれほど知識を持っていなかったが、インストラクターが目の不自由な私たちを励ましてくれた」(ゴウドさん)

サイトセイバーズによると、インストラクターは視覚障害を持つ少女に教えるための特別な訓練を受けており、身体接触や手をたたく音などに加え、明快で理解しやすい指導法を用いているという。

ゴウドさんは17年、視覚障害者の柔道で全国チャンピオンに輝いた。昨年には初めて飛行機に乗り、ウズベキスタンで行われた国際視覚障害者スポーツ連盟の大会で銅メダルを獲得している。

以前は周囲から「何もできない」と思われていたが、競技に参加することで自身や仲間へのプライドが芽生えた。「家族も喜んでいる。これが私の人生を変えてくれた」という。

大会後にメダルを手にするゴウドさん/Arko Datto/Noor for Sightsavers
大会後にメダルを手にするゴウドさん/Arko Datto/Noor for Sightsavers

このプログラムで人生が一変したのはゴウドさん一人だけではない。これは主に、柔道の練習を取り入れたプログラム責任者のクマルさんの手腕によるところが大きい。

プロジェクトは現在、隣接するラジャスタン州など他の地域にも拡大中だ。クマルさんは全国規模に広がっていく可能性もあると期待を寄せている。

英ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のクレア・ギルバート教授は、「目の不自由な人たちは低・中所得国をはじめとする場所で大変な困難に直面している。目の見えない少女や女性の場合、こうした課題は一層深刻であることが多い」と説明。困難の大半は女性たち自身の不自由さから来るのではなく、過保護な家族や蔑視的な周囲の姿勢が原因だと指摘する。

そのうえで、ゴウドさんのような若い女性がみせている自信や技能は称賛に値するとし、「深く根付いてしまっていることが多い姿勢に変化をもたらすことに成功している」と話した。

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