視覚障害のインド人女性、護身のため柔道に挑戦 今では王者に
権利拡大の旅
柔道の学習は権利拡大に向けた旅であり、女性たちに従来にはなかった発言力を付与することでもある。
クマルさんは「こうした少女たちは本当に自信を欠いている」と指摘。「自尊心が低く、身ぶりも非常に消極的だ。それで私は、少女たちが家から出られるようにするプログラムを企画しなければならないと気付いた」と話す。
クマルさんによれば、レイプ事件の98%には被害者の知り合い、25%には隣人が関与しているとの記録もある。
おじやいとこから体を触られても、女性たちはそれが性的虐待だとは気付かないのが実情だという。
クマルさんは、女性たちに「これはあってはならないことだ」と気付いてもらうためには、教育が一定の役割を果たすと語る。親によっては娘の問題に耳を傾けない場合もあることから、恐怖心が生まれ、自信喪失につながっているという。寄せられた質問の多くは「誰かに襲われたらどうやって身を守ればいいのか。目が見えないので何もできない」という内容だった。
クマルさんは「こうした護身術により、少女たちは人生を左右しかねない緊急事態から逃れることができるようになった」とも指摘。「目の不自由な少女や女性にとってインドは非常に危険。本当に被害に遭いやすい状況だ。それを軽減したい一心で取り組んでいる」と力を込めた。