飲料水2万パレット放置、ハリケーン被災者に配られず プエルトリコ
プエルトリコ・セイバ(CNN) 昨秋にハリケーン「マリア」で甚大な被害を受けた米自治領プエルトリコで、ハリケーン被災者の救援用に送られたペットボトル入りの飲料水2万パレット分が屋外に放置され、配布されていないことがわかった。
飲料水はハリケーン被災地に連邦緊急事態管理庁(FEMA) が持ち込んだもの。住民は当時、電力不足や住宅被害のほか、飲料水不足にも陥っていた。
連邦当局はハリケーン襲来後、プエルトリコ東端の町セイバにある使用されていない滑走路を確保。救援物資の保管場所として飲料水や防水シートなどが集められたが、これらが配布されることはなかった。組織間の連絡や連携不足が原因だった可能性がある。一方、住民は病気にかかるリスクのあるわき水などの利用をしいられる状況だった。
FEMAの関係者によると、通常、FEMAは州や自治領への供給物資を確保し、その後の配布業務は州や自治領が担う。マリアの際は、供給面は問題なかったが、配布に問題があったという。
プエルトリコの一般調達局の管理者は、FEMAから今年5月に約2万パレット分の飲料水が余っているとの報告があったと説明。同局は飲料水を必要とする地域に配ろうと、それを利用したいと申し出て配布を開始した。
だが、異臭や異様な味がするとのクレームが入り始めた。同局はFEMAや保健省に水質の調査を依頼し、返品も予定しているという。
セイバの首長は救援に感謝の意を示しつつも、供給量が過剰でタイミングも悪かったと指摘。時間の経過や熱で水質が悪化したとの見方を示した。
プエルトリコ当局によると、マリアによる死者数は2975人に上っている。