サウジ、不明記者の死亡認める 「総領事館で殴り合い」
(CNN) サウジアラビア人記者のジャマル・カショギ氏がトルコのサウジ総領事館に入ったまま消息不明となっていた件で、サウジ当局は20日までに、国営テレビでカショギ氏の死亡を認めた。
国営テレビによれば、サウジは既に調査委員会を立ち上げており、1カ月以内に報告書を公表する方針。委員会は国家安全保障関係の当局者や外務省、内務省で構成するという。
カショギ氏の死亡時の状況については、トルコ・イスタンブールのサウジ総領事館で面会した役人と話していたところ口論や殴り合いになり、死亡したとしている。関係者はその事実の隠ぺいをはかろうとしていたという。
国営サウジ通信は、これまでにサウジ国籍の計18人が捜査のため拘束されたと伝えた。
国営テレビの発表によると、王室はアフメド・アシリ少将を情報機関ナンバー2の地位から解任する勅令を出した。
アシリ氏はイエメンの反政府武装勢力「フーシ」との戦いで中心的な役割を担っているとみられていた。サウジ主導連合軍の報道官を務めたことで一般家庭にも名前が浸透し、ムハンマド皇太子の重要な側近となっていた。
複数の情報筋によれば、カショギ氏の失踪にかかわったチームを選抜したのはアシリ氏だったという。
サウジ当局は今回の発表で、カショギ氏の死に深い哀悼の意を示し、事実関係の解明と関与者の責任追及に全力を尽くすと表明した。
カショギ氏は10月2日、結婚に必要な書類を取りにイスタンブールのサウジ総領事館を訪れたのを最後に行方が分からなくなっていた。
米当局者はCNNに対し、ムハンマド皇太子が知らずに作戦が実行されることはないはずだとの見解を示している。
ホワイトハウスのサンダース報道官は声明で、米政府はサウジ政府の発表と捜査の進展について認識しており、適正な手続きで迅速かつ透明な捜査を求めると述べた。