警官が国会を「襲撃」、未払いの手当要求 APEC開催のパプア
(CNN) アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が先に実施されたパプアニューギニアの首都ポートモレスビーで22日までに、同会議の警備任務に伴う手当支払いに不満を抱く警官の集団が国会議事堂に押し掛け、建物を壊すなどの騒動が起きた。
地元警察の責任者によると、手当が支給されないと思い込んだ末の騒ぎで、議事堂入り口付近でガラスを割り、装備品を壊すなどしたという。別の警官が現場で暴行発生の事実確認などを行い、20日時点で事態の沈静化を図っているともした。
国会議員の1人はフェイスブック上で、多数の議会スタッフがこれら警官と対峙(たいじ)した際、攻撃されたと主張した。
騒乱発生は20日で、APEC首脳会議は17日に開幕し、翌日閉幕していた。
同国政府当局者は、政府は全ての手当の半額を支給済みと説明。残り半額の支払い手続きも進めていると述べた。これら手当の総額は300万米ドル(約3億3900万円)相当としている。
パプアニューギニアで同首脳会議の開催は初めて。同国は加盟21カ国・地域の中で、経済発展では最後進国ともされる。汚職のまん延や犯罪率の高さ、高失業率なども指摘され、最大都市ポートモレスビーは世界で最も危険な都市との不評も受ける。
同国の南ハイランド州では今年6月、大規模な暴動などが発生し、政府は9カ月間の非常事態を宣言し、軍隊も投入していた。略奪行為や政府の航空機や裁判所への放火も起きていた。
今回の首脳会議開催に向け、政府は各国要人用にイタリアの高級車マセラティ40台を特別注文して購入し、多くの国民の反発も買っていた。