交通事故死、世界の死因の8位に 子どもと若者は1位
(CNN) 世界保健機関(WHO)がこのほど発表した道路の安全に関する2018年版の報告書によると、2016年に交通事故で死亡した人は世界で135万人に達した。死者の数はHIV・エイズや結核を上回って全体では8位に上昇、5~29歳の子どもと若者では1位だった。
報告書は7日に発表された。地域によっては法整備などの進展が見られるものの、2016~20年の間に交通事故死を半分に減らすという国連の目標を達成するためには、まだ不十分だと指摘している。
死者の数は増え続けているものの、世界の人口増に照らした割合は横ばいで推移し、車両の増加に照らした割合は減少している。過去15年間の死者数は、10万人中18人前後だった。
低所得国の死亡事故リスクは、所得の高い国の3倍に上った。「低所得国の自動車台数は世界のわずか1%にとどまるにもかかわらず、死者の13%をそうした国が占めている」と報告書は指摘する。
交通事故死の割合が最も少ないのは米大陸と欧州で、10万人当たりの死者数は米大陸が15.6人、欧州が9.3人だった。
一方、死亡率が高いアフリカは10万人中26.6人、東南アジアは20.7人に上る。
交通事故による死者の半数以上は、交通弱者の歩行者と、自転車やバイクを運転する人が占めていた。
世界の死者のうち、29%は車内にいた人、28%は二輪または三輪バイクの運転者、26%は歩行者と自転車だった。