パキスタン、インド軍のパイロット拘束 核大国間の緊張高まる
インド・ニューデリー(CNN) パキスタン軍は27日、隣国インドと領有権を争うカシミール地方の上空でインドの戦闘機2機を撃墜したと発表し、同軍が拘束したとするインド軍パイロットの映像を公開した。核保有大国同士の衝突は、一気にエスカレートしつつある。
インドは戦闘機1機を失ったことを確認し、報復としてパキスタンのジェット機1機を撃墜したと発表。パキスタンに対し、パイロットをインドに帰還させるよう要求した。
インドはこの前日、カシミール地方のパキスタン支配地域で空爆を行ったと発表していた。
パキスタンのカーン首相は、いずれの側にも「誤算」があってはならないと述べ、事態がこれ以上エスカレートすれば、自身にもインドのモディ首相にも制御できなくなると危機感を示した。
パキスタン軍の報道官によると、撃墜したインド戦闘機2機のうち1機はカシミール地方のパキスタン支配地域に、もう1機はインド支配地域に墜落した。
インドはこれに関連してパイロット1人が行方不明になっていることを確認。外務省報道官は、インド軍機が報復としてパキスタンのジェット機1機を撃墜したと述べた。同機はパキスタンの支配地域に墜落したとしている。
パキスタンが拘束したとするインド兵の映像を公開したことに対し、インド側は「国際人道法の常識に反する」と強く反発している。インド外務省はパキスタン外交官を呼び、兵士を速やかにインドに帰還させるよう求めた。
パキスタンは27日、一時的に領空を閉鎖。インドの航空会社も多数がインド国内の空港を利用する便の運航停止を発表したが、後に運航は再開された。