ISIS戦闘員の妻、難民キャンプで出産した男児が死亡
(CNN) 15歳で英国からシリアへ渡り、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」戦闘員と結婚したシャミマ・ベグムさんがシリア北部の難民キャンプで出産した男児は先週、生後3週足らずで死亡した。現地の赤新月社がCNNに確認した。
ベグムさんは先月、19歳で男児を出産した。7日に男児の健康状態が悪化したため、赤新月社の医療スタッフが母子を北部ハサカの病院へ運んだが、男児は入院から数時間後に死亡したという。
ベグムさんはシリアに残った最後のISIS支配地、東部バグズから逃げ出し、難民キャンプに収容されているところを先月発見された。英国へ帰って出産することを希望していたがかなわず、英政府から市民権剥奪(はくだつ)を言い渡されていた。
男児死亡の知らせを受け、英政府の報道官はCNNに「子どもの死は悲劇だ」と述べたうえで「政府は今後とも、国民がテロに誘い込まれたり危険な紛争地域へ渡航したりすることを阻止するために全力を尽くす」と強調した。
男児の安否をめぐっては、現地の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」の報道担当者が「死亡説はうそ」とツイートするなど、情報が錯綜(さくそう)していた。CNNは英外務省にコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。
米難民支援団体「国際救済委員会(IRC)」によると、バグズから同じ難民キャンプへ向かった子どものうち、これまで100人近くが到着前後に栄養失調などで死亡している。
ベグムさんの家族は先月、ジャビド英内相へ送った書簡の中で、男児には英国の安全な環境で育てられる権利があると訴えていた。