シリアで2013年に拉致されたNZの看護師、生存の可能性 赤十字
(CNN) 赤十字国際委員会(ICRC)は14日、シリアで2013年に過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」によって拉致されたニュージーランド人看護師が、生存している可能性があると発表した。
ニュージーランド人看護師のルイーザ・アカビさん(62)と、ICRCの運転手だったシリア人2人は2013年10月、シリア北部のイドリブに医療物資を届ける途中でISISに拉致された。一緒に連れ去られた4人は後に解放された。
ICRCはこれまでアカビさんの名を伏せ、解放に向けた交渉に当たってきたが、2018年末になって、アカビさんの身の安全に関する「信頼できる」情報が入った。2人の運転手については安否を確認できていないという。
今年3月にISISの最後の拠点が制圧されたことを受けて、ICRCは捜索の手掛かりが途絶えることを危惧して公開捜索に切り替え、アカビさんに関する情報の提供を呼びかけている。
アカビさんは1987年からICRCの看護師になり、紛争や自然災害の被災者支援に献身した看護師に最高の栄誉として贈られる「フローレンス・ナイチンゲール記章」を受賞していた。
シリアのほかにもソマリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、スリランカ、エチオピア、イラク、アフガニスタンに派遣された経歴をもつ。同僚によると、シリアへ渡航したのは「自分を必要としてくれる人がいる」との思いからだった。
拘束された期間は、ICRCの156年の歴史の中で最長になっているという。
ニュージーランド外務相は15日、国防軍の特殊部隊なども加わって、アカビさんの捜索を続けていることを明らかにした。