ロ朝首脳が初の会談実施、記者団に談話も
(CNN) ロシアを訪問した北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長は25日午後、ロシア極東部のウラジオストク市で同国のプーチン大統領と初の首脳会談を行った。
極東連邦大学での会談に臨み、金委員長は記者団に、有益な会談を期待すると表明。長い歴史を持ち、伝統的に友好な両国関係をより強固かつ健全な段階へ建設的に発展させる会談になるだろうと強調した。最高指導者としての金氏の訪ロも初めて。
一方、プーチン氏は両国関係を助長させ、朝鮮半島情勢の解決に寄与する方策の理解を促進させると信じると指摘。共に何が出来るのか、現在起きている前向きなプロセスを支援するためにロシアが何を出来るのかの理解に努めると述べた。
南北対話や米朝関係の正常化に対する金委員長の努力を歓迎するとし、2国間関係では貿易、経済交流や人道面での提携を大幅に発展させる必要性に触れた。
専門家は金委員長の訪ロの狙いについて、対米交渉以外で取り得る外交的な選択肢の模索に言及。経済的には中国への過大な依存度の低減を視野に入れているとの指摘もある。
また、米国が北朝鮮に科す経済制裁の解除でロシアの支持を期待しているとの分析もある。これまでの米朝交渉では制裁解除問題が大きな障害となっている。
トランプ米政権は北朝鮮が核兵器開発を放棄した後のみの制裁解除を主張。ロシアは制裁は段階ごとに解除されるべきとの立場だ。
プーチン氏の最側近によると、ロ朝両国は今回の首脳会談後に合意文書への署名や共同声明の発表は予定していない。ただ、米朝首脳会談が注目を浴びていた際には脇役に甘んじたロシアが国際外交の面でその存在感を再び誇示出来る機会ともなる。