UAE沖のタンカー攻撃、「国家」関与の可能性大 国連に報告
国連(CNN) アラブ首長国連邦(UAE)沖で5月に石油タンカー4隻が攻撃を受けた問題で、UAEなど3カ国は6日午後、「国家」が関与した可能性が高いとする調査結果を国連に報告した。
調査結果はUAEのほかサウジアラビアとノルウェーが国連安全保障理事会に説明。4隻への攻撃について「洗練された連携作戦の一環であり、高度な作戦能力をもって遂行されたことが強く示されている」とした。
標的となった商船4隻のうち1隻はUAE船籍、2隻はサウジ船籍、残る1隻はノルウェー船籍だった。
米国とサウジは攻撃の背後にイランがいると疑っているが、今回の調査では名指しでイランの責任を指摘することはなかった。
イラン政府は攻撃を非難するとともに、事件への関与を否定している。
サウジのムアリミ国連大使は、イランの責任を証明する「十分な」証拠があるとし、「このような象徴的な攻撃を許容すれば、さらなる攻撃を招くことになる」と述べた。
ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は、イランが背後にいるのは「ほぼ確実だ」と主張。コーエン米国連大使代行はコメントを控えた。
複数の外交官によると、損傷具合の評価や回収された破片の化学分析を行った結果、船底に仕掛けて遠隔装置で起爆させる水雷「リムペットマイン」が使われた可能性が高いことが判明したという。
調査結果は安保理に正式提出される見通しだが、対応策について合意に至るかは不透明だ。ロシアのサフロンコフ国連次席大使は「結論に飛びつくべきではない」としている。