難民・避難民、世界で7000万人超と過去最高 国連報告書
(CNN) 世界各地で紛争や迫害のために国を追われた難民や国内避難民は計7000万人を超え、過去最多の記録を更新したことが19日までにわかった。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の年次報告で明らかになった。
報告書によると、母国を追われた難民が2590万人、国内避難民が4130万人で、350万人が難民申請中。合計人数は前年を230万人上回り、10年前の2倍近くに達した。
平均すると世界人口の108人に1人がこの中に入り、毎日新たに3万7000人が加わっている計算だ。
これまでと同じく、難民増加に最も大きな影響を与えたのはシリア内戦だった。人道、経済危機が深刻化しているベネズエラからの難民も目立つ。
難民の出身国はシリア、アフガニスタン、南スーダン、ミャンマー、ソマリアの5カ国が全体の3分の2を占めている。難民の約半数は子どもだった。
難民の受け入れ人数が最も多いのはトルコの370万人で、2位以下のパキスタン(140万人)、ウガンダ(120万人)、スーダンとドイツ(各110万人)を大きく引き離している。
難民申請者の申請先は米国が最も多く、25万4300人を占めた。
グランディ高等弁務官は報告書の発表にあたり、難民の増加を「現代における最大の課題のひとつ」と位置付けた。