中国、新疆訪問者の携帯に監視アプリか 報道機関調査
香港(CNN) 中国・新疆ウイグル自治区を訪れた観光客の携帯電話に、当局がひそかに監視アプリをインストールしているとの調査結果が4日までに発表された。今回の調査は英紙ガーディアンや米紙ニューヨーク・タイムズなどが共同で実施した
事実なら新疆の監視強化に向けた新たな動きとなる。米国務省の推計によると、新疆の収容施設には、イスラム教徒を多数派とするウイグル族が最大で200万人拘束されている。
新疆では警官が大量動員されているほか、監視カメラも見慣れた光景となっている。中国政府は2017年から、数百万人に上る地元住民のDNAや生体情報を収集し始めた。
今回の調査はガーディアンやニューヨーク・タイムズなどが共同で実施したもので、取り締まりの影響が訪問者や観光客にも及んでいると伝えている。CNNは報道内容を独自に確認できていない。
中国外務省は3日、監視アプリについて聞かれ「聞いたことがない」と述べた。CNNは新疆自治区政府にコメントを要請したが、現時点で回答はない。
報道によると、隣国キルギスから新疆を訪れた人は携帯電話のロック解除を強いられ、検問所の当局者が「Fengcai」と呼ばれるアプリをインストールするという。
このアプリはインストール後に端末内のテキストメッセージや通話記録、連絡先、カレンダーの記入事項、保存データをスキャンし、7万3000を超える禁止項目に該当しないか照合するとされる。
アプリによって重要とみなされるのは、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」のプロパガンダなどイスラム過激派関連のファイルや、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマの写真などだという。