NZ国会議長、議員の乳児に授乳し議事をさい配
(CNN) ニュージーランド国会で21日、トレバー・マラード議長が議場の議長席で同僚議員の生後1カ月の乳児に授乳などしながら議事進行をさい配する一幕があった。
ボトルで授乳する写真をツイッター上に掲載。「議長席は通常、議長が使用するが本日は大物の賓客が着席した」とも書き込んだ。
乳児はタマティ・コフィー議員の子息で、産休休暇を終えた父親も議長席のそばに控えた。
Normally the Speaker’s chair is only used by Presiding Officers but today a VIP took the chair with me. Congratulations @tamaticoffey and Tim on the newest member of your family. pic.twitter.com/47ViKHsKkA
— Trevor Mallard (@SpeakerTrevor) 2019年8月21日
議長が乳児をあやす模様はビデオ映像にも収められ、合間に議員の発言時間が切れたと警告を発し、乳児がこれに同意するかのようにのどを鳴らす場面もあった。
ソーシャルメディア上には議長とコフィー議員の行動をたたえる意見が即座に投稿された。「ニュージーランドは小さな国であるかもしれないが、世界に大きな教訓を与えた」などの書き込みがあった。
また、多くの議員も議長の振る舞いを支持する考えを示した。
同国では昨年、アーダーン首相の出産や産休が国際的に注目された。在職中の国家指導者が出産するのは過去30年で初の事例だった。
Lovely to have a baby in the House, and what a beautiful one @tamaticoffey pic.twitter.com/EP6iP9eQES
— Gareth Hughes (@GarethMP) 2019年8月21日
地元のCNN系列局ラジオ・ニュージーランドによると、同首相やパートーナーの男性は昨年9月、自らの子どもを国連総会に同席させ、話題を集めてもいた。首相は「現実的な決定だった」との理由も明かしていた。
世界的に見て自らの子どもを政府庁舎などへ連れて来るのは多くの国で異例。アフリカ・ケニアでは最近、幼児連れの女性議員が議場から追い出されてもいた。ただ、英国やオーストラリアの国会に赤ちゃんを同席させ母乳を与える例なども出始めており、潮流の変化を示唆している。