シラク元仏大統領が死去、86歳
パリ(CNN) シラク元仏大統領が死去した。86歳だった。CNN提携局BFMが伝えた。
近年、シラク氏は記憶障害を患い、公の場に姿を見せることはまれだった。首相やパリ市長を経験した後、大統領を2期務めた。
シラク氏はパリで生まれ、同市で最高水準の教育を受けたが、家族のルーツがある農村部への愛着を保ち、自らを庶民と認識する姿勢によって国民からの人気を集めた。
アルジェリア戦争中の1956年には仏陸軍に志願した経歴も持つ。その後、政治に関心を抱くと35歳の若さで当時のドゴール政権の閣僚に就任。国政レベルの役職を複数務め、77年には選挙で選ばれた初のパリ市長にもなった。
95年に大統領選に出馬して勝利すると、2002年に再選を果たす。この任期中、外相を国連に送り込み、フランスが国として米国主導のイラク戦争に反対することを公に宣言。米国との関係悪化につながったが、当時のCNNのインタビューでは「いかなる国であれ、独断で戦争を仕掛けるなどということは考えられない」と述べ、多国間主義の正当性を強調した。
一方で国内では支持率の急落に苦しんだ。任期が終わりを迎える07年の支持率は2割を切り、歴代最低水準を記録した。
大統領退任後の11年には、パリ市長時代の汚職の罪で有罪となり、執行猶予付き禁錮2年の判決を受けた。