ベルギーのカーニバル、文化遺産の指定取り消し 「反ユダヤ」と批判
(CNN) 国連教育科学文化機関(ユネスコ)は13日、ベルギー北西部アールストで開催される恒例のカーニバルについて、無形文化遺産の指定を取り消すと発表した。「人種差別的、反ユダヤ主義的」な表現が繰り返され、ユネスコの理念に反するためとしている。
ユネスコの報道担当者によると、無形文化遺産保護条約に基づく政府間委員会が、ユネスコ事務局長の提案と事実関係から判断を下した。
今年のカーニバルでは、ユダヤ人をテーマにした山車が「反ユダヤ主義的」と批判されていた。
アールストのダーゼ市長は今月、ユネスコからの批判をめぐるCNNへの声明で、「市民はいわれのない侮辱にうんざりしている」と主張。「最も名誉ある」選択として、今後はユネスコの指定を求めないと表明していた。
ダーゼ氏が問題の山車を「風刺」と擁護したのに対し、同国のユダヤ人団体は「ナチス・ドイツ時代のユダヤ人描写と同じ」「間違いなく反ユダヤ主義的だった」と主張。過去にはカーニバル参加者の一部がナチス親衛隊の制服を着ていた年もあったと指摘した。
ベルギーでは最近、地方の祭りに顔を黒塗りにした悪役が登場する風習などに対しても、人種差別的と批判する声が上がっている。