新型肺炎、感染源はコウモリの可能性 専門家が指摘
(CNN) 中国の湖北省武漢で発生した新型コロナウイルスについて、感染症の専門家から、コウモリが感染源となった可能性を指摘する声が出ている。
非営利団体「エコヘルス・アライアンス」のピーター・ダスザク代表は「新型ウイルスの遺伝子配列を調べ、既に知られている全てのコロナウイルスと照合した場合、最も近いのはコウモリ由来のウイルスだ」と明らかにした。
中国疾病対策センターの研究者も29日、英医学誌ランセットに論文を発表し、これまでに得られたデータはコウモリを最初の宿主とするウイルスと一致していると指摘した。
コウモリはマールブルグウイルスやニパウイルス、ヘンドラウイルスなどの保有宿主と考えられてきた。エボラウイルスや狂犬病、SARS(重症急性呼吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)についても、コウモリが自然宿主とみられている。SARSとMERSの原因となったのはコロナウイルスで、武漢で発生したものと類似している。
感染は中間宿主を介して広がるケースが多い。2003年のSARSの場合はジャコウネコ、その後発生したMERSの場合はラクダがウイルスを媒介した。
こうしたウイルスは動物から人へ感染するため、研究者は「人獣共通ウイルス」と呼んでいる。
中国疾病対策センターの研究者は、データを分析した結果、コウモリから別の野生動物を介してウイルスが人間に広がった可能性が示されたと指摘した。感染が広がった海鮮市場でコウモリが見つかったり販売されたりしていた事実はないという。