シリア軍と直接交戦、トルコ側に初の犠牲者
イスタンブール(CNN) トルコ国防省は6日までに、内戦下にあるシリア北西部イドリブ県でトルコ軍とシリアのアサド政権軍が直接交戦し、トルコ軍兵士7人と民間人1人が死亡したと発表した。
2011年以来のシリア内戦でトルコ側に直接的な軍事衝突の犠牲者が出たのは初めて。トルコはシリア反体制派を支持する形で同県内に部隊を駐留させている。
トルコ国防省によると、アサド政権軍による激しい砲撃は2日に起き、複数の兵士も負傷した。トルコのエルドアン大統領は3日、政権軍の最大35人が死亡し、さらなる報復攻撃を実行すると言明した。
また、アサド政権を支えるロシアに対しトルコの行動を邪魔しないようにとも警告。自国軍兵士に死者が出たことで黙っているわけにはいかないとし、F16戦闘機、榴弾(りゅうだん)砲や砲門などを動員して対応するとも主張した。
一方、ロシア軍はトルコ側はイドリブ県での兵力増加の事前連絡をしなかったと反論。ロシアのRIAノーボスチ通信によると、トルコ軍は今月2日から3日にかけ県内の緊張緩和地帯でロシア側に通報せず演習を実施し、政権軍の砲撃にさらされたとした。政権軍のこの作戦は、サラキブから西へ離れた地区にいるテロリストへ向けたものだったと説明した。
イドリブ県は反体制派が支配する最後の大規模拠点。トルコとロシアは2018年、同県周辺を対象に緊張緩和を進めることで合意。ただ、アサド政権軍はここ数週間、イドリブ県へつながる戦略的な要衝である高速道路沿いに部隊を集結させ、同県への空爆を強化してもいる。
ロシアとトルコは今年1月12日、停戦を発表したが履行されない状況が続いてもいた。