新型ウイルス、SARSやMERSより致死率は低め 中国CDCの調査
香港(CNN) 中国疾病対策センター(CCDC)が新型コロナウイルス「COVID―19」による感染症の患者7万2000人余りを対象に実施した大規模な調査で、重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)のウイルスに比べて感染力は強いが、致死率は低いとの結果が報告された。
新型ウイルス関連では今のところ最大規模の研究で、17日発行の専門誌、中華流行病学雑誌に結果が報告された。
対象となった症例7万2314件のうち、感染が確認されたのは4万4672件(61.8%)、未検査または陰性判定でも症状から臨床的に診断された例が1万567件(14.6%)、疑い例が1万6186件(22.4%)。さらに無症状の患者が889人いた。
感染を確認したグループの中で1023人が死亡した。致死率は単純計算で約2.3%と、SARSの9.6%、MERSの35%と比べて低い数字にとどまっている。
米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は、現時点のデータに無症状やごく軽症の患者が含まれていないことを指摘。最終的な計算では致死率が2%を割り、1%以下に落ち着く可能性もあるとの見方を示した。
CCDCによると、単純計算による致死率は80歳以上の患者で14.8%に達し、持病を持つ人の中でも特にリスクの高い心臓病患者では10.5%となっている。
医療従事者の感染リスクも高く、今月11日の時点で病院スタッフら3000人余りの患者が報告された。このうち1716人の感染が確認されたが、致死率は約0.3%と計算されている。