口の大けがで野生のゾウ死ぬ、爆竹詰めた果物が爆発か インド
(CNN) インド南部ケララ州で妊娠中の野生のゾウが死んでいるのが見つかった件で、爆竹の詰まった果物を食べたのが死因とみられることが5日までに分かった。爆竹が口の中で爆発して致命傷を負った可能性があり、当局が捜査を開始している。
地元の森林当局者によると、このゾウは先月27日に川の中で死んだ。けがをしているのが分かってから4日が経過していた。
検視の結果、口の中で何かが爆発した痕があったという。爆発に関与した人物は捕まっておらず、何による爆発なのかもまだ不明だとしたうえで、当局はゾウが妊娠1カ月であることが分かったと付け加えた。
州の野生動物保護責任者は、本件について調査中だと述べた。
この責任者によれば、地元の村の住民はパイナップルなどの甘い果実の中に大量の爆竹を詰めて畑に置き、野生のイノシシの撃退に使うことがある。ゾウの口の中の爆発は、そうした果物を食べたことによって起きた可能性があるという。
「(爆発は)骨を砕き、口に多大な損傷を与えた。ゾウはえさを食べることができずに衰弱し、やがて死んでしまった」と、同責任者は説明する。
インド当局はこのゾウの死亡について調査している/Mohan Krishnan/Kerala Forest Department
けがについて把握してから4日間、森林当局者や獣医師はゾウの動きを止めて治療しようとしたが、ゾウが川の中に立ち続けていたため、麻酔銃を使用することができなかった。川にいる状態で眠らせると、そのままおぼれる恐れがあるからだ。
別の2頭のゾウを近づけて、川から出るよう促すことも試みたが、このゾウは動こうとせず、そこにとどまったまま死を迎えた。
ゾウの死を受けて、インドでは全土で怒りの声が上がっている。環境相は「ゾウに爆竹を食べさせて殺すのはインドの文化ではない」と非難。徹底的に捜査してかかわった人物を捕まえると述べた。
環境保護団体の推計によると、現在インドにすむ野生のゾウは約2万7000頭だが、その生息地は人間の生活範囲の拡大とともに一段と強い圧力にさらされている。