北の感染対策、正恩氏が称賛と国営メディア 「輝かしい成功」
ソウル(CNN) 北朝鮮の国営メディアは3日、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が国内の新型コロナウイルス感染封じ込めの取り組みについて、「輝かしい成功」と称賛したと報じた。一方で、予防措置の解除が早すぎると破滅的な状況を招くと警鐘を鳴らしたという。
北朝鮮のトップ級の政治家が集まる会合で述べた。
朝鮮中央通信(KCNA)が伝えたところによると、金氏は「我々は徹底して悪性ウイルスの侵入を防ぎ、安定した防疫状況を維持している。世界的な健康危機が起きているにもかかわらずだ。これは輝かしい成功と言っていい」と強調した。
ただ危機が去ったわけではないとし、気を緩めることのないよう当局者らに厳しい口調で呼びかけた。
会合に参加した北朝鮮の当局者ら/KCNA
KCNAが公開した画像には、数十人の当局者らの前で議事を進行する金氏の姿が写っている。当局者らはそれぞれの席に距離を空けずに座っており、誰もマスクを着用していない。
しかし平壌の外交筋によれば、市街では誰もがマスクを着け、相互の距離を保ちながら過ごしているという。市内はほぼ通常の生活に戻り建設現場や店舗、ホテルなどは稼働を再開した。学校の再開は6月に実施されている。
外交筋らは北朝鮮の当局者らについて、少なくとも平壌においてはウイルスの封じ込めを達成したとの自信を深めていると指摘。ただ外交筋の1人は、検査を受けたという人の話を聞いたことがないと明かした。
この会合までの数週間、金氏は公の場に姿を見せていなかった。過去数年は公式行事を忙しくこなしていた金氏だが、ここ3カ月間は表に出る機会が驚くほど少なくなっている。