イラン、地下ミサイル基地を公開 ペルシャ湾沿岸部
(CNN) イランの国営メディアは10日までに、ペルシャ湾沿岸部にある「戦略ミサイル」の地下基地が公開されたと報じた。
同国の革命防衛隊のサラミ司令官がミサイルとミサイル発射装置が格納される長い地下トンネルとみられる施設を視察しているビデオ映像が放映された。
同国のメヘル通信は、サラミ司令官は革命防衛隊が保有する海軍戦略ミサイル施設の1つと述べたと伝えた。同通信と国営イラン通信(IRNA)はまた、同司令官の発言を引用し、この施設には数百キロの精密な射程距離を保持する長距離ミサイルの発射台も配備されていると報じた。
今回の地下基地の公開は、イランと米国の関係が緊張感を増すなかで打ち出された。
イランの弾道ミサイルの保持は近隣のアラブ諸国や米国との間で長年の争点の1つとなっている。サウジを含むペルシャ湾沿岸のアラブ諸国はイランに対し弾道ミサイル兵器の削減を要求しているが、イラン指導部は交渉の対象にはならないと一蹴(いっしゅう)している。
基地に配備された移動式発射装置/Sepahnews/AP
昨年1月には米軍が革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害した報復として、同隊がイラクにある米軍拠点に弾道ミサイル攻撃を仕かけてもいた。
米国のバイデン次期政権はイランとの核合意に復帰する意向を示しているが、イランの弾道ミサイル開発問題を交渉事項に追加する姿勢を見せている。