ノルウェー、ワクチン接種の高齢者23人の死亡例を調査
(CNN) ノルウェーで身体機能の低下した高齢者23人が、米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンを接種した後で死亡したとの報告を受け、専門家らが副作用との関係を調べている。
同ワクチンの副作用としては、まれに軽い発熱や吐き気などが起きることが分かっている。体力の衰えた患者にとっては、こうした症状が命取りになる可能性も指摘される。
同国の公衆保健研究所(FHI)は死亡例の報告を受け、高齢で身体機能が低下した患者や終末期患者に対するワクチン投与の指針を改訂。医師が一人ひとりの患者について、投与のメリットが発生し得る副作用のリスクを上回るかどうかを判断することとした。
ノルウェーでは14日までに、4万2000人が第1回の接種を済ませた。ほかの多くの国と同様、新型ウイルス感染の重症化リスクが特に高いグループとして、基礎疾患のある高齢者や介護施設の入居者が優先されている。
ノルウェー医薬品局(NOMA)は声明で、対象グループの性質上、死亡がワクチン接種の時期と重なる例も想定されると指摘。国内の介護施設や長期療養施設では週に平均400人が死亡すると説明している。
専門家らの間でも、今のところワクチン接種と死亡の因果関係を示す証拠はなく、患者が接種直後に偶然死亡することもあり得るとの見方が強い。米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、介護施設の入居者のうち、ワクチン接種を受けていないグループの死亡率を調べることが先決だと強調した。
FHIとNOMAは15日、これまでに死者23人のうち13人のケースを調査したと発表。ファイザーはNOMAと協力し、あらゆる関連情報の収集に努めていると述べた。