町の成人全員に新型コロナワクチン、感染減少の可能性探る ブラジル
(CNN) 南米ブラジルのブタンタン研究所は17日、一都市の成人全員に対して新型コロナウイルスのワクチン接種を行い、感染件数が減少する可能性があるかどうかを調べるためのキャンペーンを開始した。
対象となる都市はサンパウロ州セラーナ。ブタンタン研究所によれば、成人の人口は推計3万人で、3カ月後に免疫が獲得できる見通し。
研究者は、大規模な集団に対してワクチン接種することで新型コロナウイルスの感染拡大の発達の具合を追えるようになる。ブタンタン研究所のコバス所長は、今回のキャンペーンには技術的な側面があり、ワクチンが新型コロナウイルスの感染を減らす効果があるのかどうかについて計算や予測が出来るようになると説明している。
セラーナ市の人口は全体で約4万5000人。18歳以上の全員に対して中国のシノバック社製のワクチンが接種される予定だが、妊娠した女性や授乳を行っている女性、重い病気にかかっている人は除外される。
新型コロナウイルスは感染が始まって以来、ブラジルで猛威を振るっている。感染件数は1000万件近い。米ジョンズ・ホプキンス大学によれば、ブラジルの死者数は24万2090人と米国に次いで世界2位の多さとなっている。