ミャンマーデモで38人死亡、クーデター後最悪 国連特使が発表
(CNN) 国連のブルゲナー事務総長特使(ミャンマー担当)は3日、記者会見を行い、ミャンマー国内の民主化デモで同日、少なくとも38人が死亡したと明らかにした。2月1日の軍事クーデター以降、1日の犠牲者数としては最悪の規模となった。
ミャンマーではここ4週間、各地で数千人規模のデモ隊が街頭に繰り出す日が続く。これに対し治安部隊は実弾を発砲したり、催涙ガスや閃光(せんこう)弾などを使用したりしている。
ブルゲナー氏は「きょうはクーデターの発生以降で最悪の犠牲者を出した日となった」と説明。2月1日からの累計の死者数は50人に達したと指摘した。
拘束者は約1200人に上り、どこに拘束されているのか分からないと訴える家族も多いという。
ブルゲナー氏は「この状況を阻止するため、利用可能なあらゆる手段が必要となる」と述べ、「国際社会の結束が必要であり、適正な措置を取れるかどうかは個々の国次第だ」と訴えた。
CNNはメールで軍政にコメントを求めたものの、現時点で返答は得られていない。
デモ隊はここ数週間、拘束中のアウンサンスーチー国家顧問を含む民主的に選ばれた当局者の解放を要求してきた。スーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)は、昨年11月の選挙で大勝。軍指導部は不正投票があったと主張しているものの、裏付けとなる証拠は提示していない。
世界の指導者からは、選挙で選ばれたミャンマーの指導者を解放するよう求める声が上がっている。
3日には、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が悪化の一途をたどるミャンマー情勢に言及し、政治囚の解放と暴力の終結を求めた。