1日の死者最多を記録、医療崩壊寸前 コロナ禍のブラジル
ドリア知事は先週末、不要不急の事業所や商店などに2週間の休業を命じていた。これに対してボルソナーロ大統領は、そうした規制はブラジル経済に打撃を与えて自殺者やうつの増加につながると主張する。衛生対策に従わないことを誇りとする大統領は先週のイベントで、農業従事者が「まるで臆病者のように」自宅にとどまることをしなかったとして称賛。「臆するのはもうやめよう。泣き言はもう十分だ。あとどれだけ泣き続けるつもりなのか。我々は問題に立ち向かわなければならない」と力説した。
今週に入って大統領は、国家的なロックダウン(都市封鎖)を宣言する権限は自分にあるが、決して宣言は出さないと強調。「軍が国民に自宅待機を強制することはしない」とした。
同国では、感染力がさらに強いとされる新型コロナウイルスの変異株が感染を広げているが、これを防ぐ手段はほとんどない。
ブラジルと英国の研究チームの調査によると、北部のマナウス州で確認された変異株の「P.1」は最大で2.2倍の感染力をもつ可能性があり、過去に新型コロナウイルスに感染した人でも感染する恐れがある。
P.1は過去の新型コロナウイルス感染による免疫を最大61%の確率で免れる可能性があることが、この調査で示された。
P.1はブラジルの少なくとも6州で広がっているほか、米国、英国、隣国ベネズエラで確認されている。