カナダで変異株主流の第3波 当局が警告
(CNN) カナダ各地で新型コロナウイルスの変異株による感染が拡大し、保健当局が警告を発している。変異株が主流となって若年層の重症例が目立ち、集中治療室(ICU)に収容される患者が急増しているという。
トルドー首相は6日の記者会見で「だれも聞きたくなかったニュースだが、入院患者が急増し、ICUのベッドが埋まりつつある。変異株が広がり、自分は心配ないと思い込んでいた人たちが発症している」と述べ、現在の感染拡大は「極めて深刻」な第3波だと強調。若者たちに向けて外出を控えるよう呼び掛けた。
同国公衆衛生局は、ICU収容者の数が過去1週間で18%も増加したと指摘。変異株が病院の収容能力を圧迫しているとの見方を示す。
公衆衛生局長のテレサ・タム博士によると、これまでに確認された変異株の感染例は1万5000件を超えた。英国発の変異株がその大多数を占めている。
第3波に見舞われている多くの州から、若い患者が重症化しているとの報告があるという。容体が急激に悪化してただちにICUでの治療が必要となり、収容期間も長引く例が多い。
東部オンタリオ州の当局はICU病床の逼迫(ひっぱく)を受け、新たな外出制限措置などを検討している。
同州の州都トロントの保健当局は、7日から小中学校の対面授業を中止するよう指示した。18日までの一時的な措置だが、延長される可能性もある。
西部ブリティッシュコロンビア州はウィスラーのスキー場を閉鎖し、人の集まるイベントの制限を強化した。同州バンクーバーのアイスホッケーチーム、カナックスの選手にクラスターが発生している。
同州の保健相は5日、州内で先週末にブラジル変異株の感染者がほぼ倍増したと発表した。