今年の死亡者、新型コロナ関連が3分の1 ブラジル
ブラジル・サンパウロ(CNN) ブラジルで今年これまでに報告された全死亡者のうち、3分の1の死因は新型コロナウイルス関連だったことが分かった。
ブラジルで今年1月1日から4月30日の間に届け出のあった死者は計61万5329人。保健省によると、このうち33.9%に当たる20万8370人の死因が新型ウイルスに関連していた。
同国では感染対策が軽視されてきたうえに感染力の強い変異株がまん延し、この4カ月で昨年1年間の合計を超える死者が出た。先月だけで7万8000人以上が死亡している。
ワクチン接種も供給不足や製薬会社との契約難航で遅れが目立ち、接種を済ませた人は国民の1割未満にとどまっている。
ボルソナーロ大統領が感染抑制のための行動制限に否定的な態度を示してきたのに対し、各地の自治体が独自のロックダウン(都市封鎖)措置を講じたことで、感染拡大は収まりつつある。1日当たりの死者はピーク時の4000人あまりから、先月は2100人前後まで減少した。しかし各地で制限緩和が進むにつれ、この夏新たに感染者や死者が急増する事態も懸念されている。
ブラジルの新型ウイルスによる累計死者数は、米国に次ぐ世界2位。米国では昨年、新型ウイルス感染症が死因の第3位になった。人口10万人当たりの死者はブラジルが193人と、米国の同176人を超えている。