中国人男性、台湾海峡をゴムボートで横断 「自由と民主主義」求め
(CNN) 軍事的緊張が高まる台湾海峡を小型ゴムボートで横断し、「自由と民主主義」を求めて台湾にたどり着いたという中国人男性が、台湾で拘束された。現地の警察が明らかにした。
台湾警察によると、男性は4月30日夜、台中の港で発見された。中国東部の福建省を出航し、台湾海峡の約80キロを横断してたどり着いたという。
男性が使ったゴム製のディンギーは船外機を装備して、90リットルの燃料を積んでいた。
1日未明に拘束された男性は警察の調べに対し、「自由と民主主義」を求めて台湾を目指したと話している。現在は隔離され、警察が男性の話を検証するとともに、逃亡中の容疑者ではないことを確認している。
台湾海峡は世界の中でも特に軍事的緊張が高まっている海域のひとつで、中国と台湾の両方の海軍艦が巡航している。米国防総省の推計によると、中国だけでも海警局の船舶255隻と、武装した海軍艦十数隻を配備。米海軍もほぼ定期的に航行の自由作戦を行っている。
台湾は国連加盟国ではなく、難民の地位に関する条約に拘束されない。正式な亡命申請は認めておらず、不法入国者は3年以下の禁錮や9万ニュー台湾ドル(約35万円)以下の罰金を言い渡される可能性がある。
男性は、台湾の国家治安移民法に違反した容疑で取り調べを受けているという。