中国製ワクチンを使う国で感染拡大、必ずしもワクチンの失敗を意味しない理由<上>
アディブ医師は、大半の医療従事者は特異な状況に置かれたことが死因になったと説明。彼らは大量の患者を抱え、ほぼ休みなしで長時間労働せざるを得なかったと指摘する。
「我々の調査データを基に判断すると、医療従事者の死はシノバック製ワクチンとは関係ない」とアディブ氏。「最も重要なのは新型コロナワクチンを接種すること、医療手順を守ることだ」としている。
疫学者でインドネシア公衆衛生専門家協会の会員、ヘルマワン・サプトラ氏は、より毒性の強い株がワクチンの有効性を低下させた可能性もあると指摘する。
ワクチン接種を受けた人が新型コロナで死亡する問題は中国製にとどまらない。英公衆衛生庁の6月の報告書では、デルタ株陽性と判定されて28日以内に死亡した117人のうち、50人が2回接種済みだったことが判明した。ただ、こうした死亡例はまれだ。累計ではデルタ株の感染者は9万2029人で、そのうち58%は未接種者だった。英国はmRNAワクチンのモデルナ製やファイザー・ビオンテック製のほか、異なる技術を使うオックスフォード・アストラゼネカ製を採用している。