国家安全維持法適用の裁判、初の有罪判決 香港
香港(CNN) 香港の裁判所で27日、国家安全維持法(国安法)が初めて適用された被告に対し、テロと扇動で有罪の判決が言い渡された。
唐英傑被告(24)はオードバイで警官の集団に突っ込み3人を負傷させたとしてテロの罪、反政府スローガンを掲げたとして国家の分裂をあおった罪に問われた。
行政長官が指名した判事3人は、被告の行動は警察に対する挑戦であり、社会に大きな害を及ぼす意図があったと断じた。
国安法は昨年6月30日に施行された。唐被告は翌日バイクで「光復香港、時代革命(香港を取り戻せ、時代の革命だ)」という民主化デモのスローガンが書かれた旗を掲げ、警官らをはねた。
裁判は国安法が今後どのように運用されるかを占うカギとして注目されていた。判事らは、旗のスローガンが香港の分離を意味する内容で、周囲を扇動する恐れがあったとの解釈を示した。
被告は無罪を主張していた。量刑は後日、言い渡される。
被告の保釈や陪審員の参加は認められず、香港の旧宗主国である英国の法体系にならった従来の裁判とは大きく異なる形となった。
国安法の施行から26日までに学生や活動家、報道関係者、弁護士ら138人が逮捕され、76人と企業3社が起訴されている。