撤去されたコロンブスの銅像、先住民の女性像に入れ替え メキシコ市
(CNN) メキシコ市はこのほど、市内の大通り沿いから昨年撤去されたクリストファー・コロンブス像について、元の場所には戻さないと発表した。
クラウディア・シェインバウム市長によれば、この場所にはメキシコ先住民の貢献をたたえて先住民女性の像を設置する。
市長は先住民女性の日に当たる5日にこの発表を行い、イタリアによる植民地化の歴史は、欧州中心の視点と、コロンブスが到達するずっと前から米大陸に存在していた文明を評価する視点の「2つの視点」からとらえられると指摘。先住民を「私たちは彼らのおかげで存在している」「それが我が国と我が祖国の歴史だ」と位置付けた。
メキシコ市内の大通りパセオ・デ・ラ・レフォルマに面したコロンブスの銅像は、19世紀終わりに設置された。2020年10月に修復のため台座から撤去されたが、アルジャジーラの当時の報道によれば、シェインバウム市長やメキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は、デモ隊に破壊される事態を防ぐために銅像を撤去したことを示唆していた。
コロンブス像は撤去され台座だけが残る/Alfredo Estrella/AFP/Getty Images
新しい先住民の像は彫刻家のペドロ・レイエス氏が手がける予定で、現在のメキシコで最初に繁栄した文明の1つ、オルメカの女性像を制作する。
地元紙によると、レイエス氏は「先住民女性と地球に記念碑をささげることは非常に重要だ。この惑星をどう守るべきかを教えてくれる誰かがいるとすれば、それは先住民の人たちであり、私たちはまさにそれを再び学ぶ必要がある」とコメントしている。
撤去されたコロンブス像は、市内のポランコ地区にある公園に移設される。