仏、駐米大使を召還 米豪間の安全保障パートナーシップ巡り
(CNN) フランス政府が駐米大使を召還したことが18日までに分かった。最近発表された米英豪3カ国による安全保障のパートナーシップへの対応について協議するのが目的とみられる。
フランスのフィリップ・エチエンヌ駐米大使にコメントを求めたところ、召還に関する報道内容を確認した。
ルドリアン仏外相は17日の声明で、召還がマクロン大統領の要請に基づくものだと明言。「異例の措置は、15日のオーストラリアと米国による発表が並々ならぬ深刻さをはらんでいることを示すものだ」と述べた。
バイデン米政権がオーストラリアに原子力潜水艦技術を供与する方針を発表したのを受け、フランスの当局者からは既存の大型潜水艦契約への影響を懸念して反発する声が相次いでいた。一方、米当局者は新たな合意を擁護している。
オーストラリアへの原潜技術供与は米英豪3カ国による新パートナーシップ「AUKUS」の一環。バイデン氏は自身の対中政策に国際的な支援を取り付けようとしており、今回の取り組みは中国対抗に向けた重要な一歩となる。
ルドリアン氏は2016年以来進めてきた仏豪間の潜水艦計画を破棄し、米豪で原潜をめぐる協力を視野に入れた新たな提携関係を結ぶとの発表は同盟国として受け入れられない振る舞いだと強調。結果的に既存の同盟やパートナーシップ、欧州にとってのインド太平洋地域の重要性にも影響を及ぼすと警告した。
フランスの当局者の一人はCNNに対し、現代に入ってからフランスがこうした措置に踏み切るのは初めてだとする見解を示した。
召還については米紙ニューヨーク・タイムズが最初に報じた。
ホワイトハウスは大使を召還する決定に関して、フランス政府と連絡を取っていることを明らかにした。