COP26、米中が共同声明 中国が予想外の協力姿勢
スコットランド・グラスゴー(CNN) 英グラスゴーで開かれている国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の閉会を数日後に控え、米中の代表者は10日、気候変動対策の強化で合意したとの共同声明を発表した。米中両国による予想外の発表となった。
中国の解振華・気候変動担当特使は記者会見で、「米中間には相違点よりも一致点のほうが多く、この分野は大きな協力の可能性を秘めている」と説明。「共同声明の発表は中国と米国にとって協力が唯一の選択肢であることを改めて示すものだ」と述べ、両国が協力することで世界全体にとって有益な多くの重要事項を達成できるとの認識を示した。
解氏は今回、メタン排出量の約3分の1削減を署名国に義務づける欧米主導の取り組み「グローバル・メタン・プレッジ」への中国の参加は明言しなかった。中国は「差別化された」責任を望むとして、他の主要な国際合意への参加についても約束しなかった。
ただ、解氏はメタンに関する中国独自の国家計画を策定すると表明したほか、「メタンの測定と緩和に関する協力を促進し強化する」方針も明らかにした。
この直後には米国のケリー大統領特使(気候変動問題担当)も記者会見を行い、中国との合意に「満足している」と表明。「今回の措置は中国の対策スピードについての疑問に答え、米中その他の国が取り組みを加速する助けになると信じる」と述べた。
ケリー氏はまた、バイデン大統領と中国の習近平(シーチンピン)国家主席が近くオンライン首脳会談に臨む予定だと明らかにし、会談に向けた準備で忙しい状況だと語った。