空爆で70人死亡、全土でインターネット障害 イエメン
(CNN) イエメン北部サアダで21日、収容施設に対する空爆があり、国際医療支援団体「国境なき医師団」によると少なくとも70人が死亡、130人以上が負傷した。イエメンではサウジアラビア主導の連合軍が反政府勢力に対する攻勢を強化している。
これに先立ち同日、戦略的要衝の港湾都市ホデイダでも通信施設に対する空爆があり、ネットワーク接続状況を監視する団体「ネットブロックス」によると、国内全土でインターネット障害が発生した。国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」によると、この攻撃で少なくとも3人の子どもが死亡したという。
ネット障害は21日夕の時点でも続いており、ノルウェー難民評議会は、支援物資の輸送に影響が出る見込みだと指摘した。
イランを後ろ盾にイエメンの大部分を支配する反政府武装組織フーシは、サウジ主導連合軍が空爆を実施したと非難。CNNは連合軍にコメントを求めている。
イエメンでは2015年、国際的に承認された政府がフーシによって追放された後、サウジとアラブ首長国連邦(UAE)主導の連合軍が同政府を復権させる目的で攻撃を開始した。今週にはUAEの首都アブダビに対しフーシのミサイルや無人機攻撃があり、連合軍は攻撃をさらに強化している。
フーシ傘下のメディアが公開した凄惨(せいさん)な映像には、サアダの収容施設への21日の空爆の後、がれきに埋もれた人々の姿が映っている。
サウジ主導連合軍は通信施設や収容施設への空爆には触れなかったが、ホデイダの港湾を攻撃したことを明らかにし、「(フーシの)海賊行為や組織犯罪の拠点の一つ」を破壊したとしている。