中国の当局者、洪水死者数を過少報告 更迭など処分
中国のトップダウン式のシステムでは、世間の耳目を引く災害や対応の失敗で地元当局者が処分を受けるケースが多い。習近平(シーチンピン)政権下では、党の政策実行で自治体に対する圧力が高まり、問題隠しが時折起きる事態となっている。
今回の洪水では鄭州市の市長と3人の副市長、鄭州市党書記が更迭され、党内で重大な警告を受けた。警察は他に8人の身柄を拘束し、今後刑事訴追をする予定。
調査では、当局の災害対策準備が不十分で、「異常気象に対するリスク意識の重大な欠如」があったとも指摘。災害発生後も緊急対応を誤り迅速さに欠けたと述べ、不必要な役所仕事や形式主義が障害の原因になったとの見解を示した。
さらに急速な発展の中で軽視されたインフラや都市計画の問題も取り上げ、鄭州市の雨水管は2400キロと同規模の都市の約半分しかないと指摘した。
この洪水では鄭州市以外の市や村も被害が出て、河南省全体で1480万人近い人々が影響を受けた。