ケニア国連大使がロシア批判、植民地アフリカの歴史引き合いに
(CNN) ウクライナの親ロシア分離派が支配する地域2カ所を、ロシアが「独立国家」と承認したことについて、ケニアの国連大使がアフリカの過去の歴史を引き合いに出し、植民地主義の遺産への執着は「支配と抑圧の新形態」のリスクをはらむと批判した。
ロシアは21日夜、ウクライナ東部のドンバス地域に位置する「ドネツク人民共和国」および「ルガンスク人民共和国」を自称する地域の独立を承認し、軍部隊の両地域への派遣を命令。ウクライナに対する軍事活動を急激に活発化させた。
ケニアのマーティン・キマニ国連大使は21日、国連安全保障理事会での演説で「この状況は我々の歴史と重なるものがある。ケニアとほとんど全てのアフリカ諸国は帝国の終えんにより誕生した」と発言。「我々の国境は我々自身が引いたものではなく、遠く離れた植民地本国のロンドン・パリ・リスボンで引かれたものだ。いにしえの国々への配慮もなく、彼らは引き裂いた」と述べた。
1895年から英国の支配下にあったケニアは、1920年に公式の植民地となり、63年に独立を勝ち取るまでそうした状況が続いた。
同大使は「代わりに、我々は継承した国境線で妥協することで合意したが、今も大陸規模での政治・経済・法的統合を追求している。危険な懐古の情を抱えたまま、歴史への逆行のように見える国づくりよりはむしろ、我々は多くの国々、そして人々の誰もがこれまで知らなかったような偉大なものへ目を向けることを選んだ」と発言。
「倒壊したり手を退いたりした帝国から形成されたすべての国家は、近隣諸国の人々との統合を切望する人々を国内に抱えていることと思う。これは当たり前のことで理解できる。結局のところ、同胞と一緒になったり、共通の目標を持ったりすることを望まない者がいるだろうか?」
「だがケニアは、そのような望みを力によって追求することを拒否する。新たな形態の支配と抑圧に我々を突き落とさない方法で、我々は死んだ帝国の名残からの回復を完遂しなければならない」と続けた。