ロシアによるウクライナでの航空作戦、大半はベラルーシが起点 NATO

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ロシア製戦闘機の動き、NATO偵察機がレーダーで捕捉

ポーランド・ウクライナ国境上空を飛行するNATO偵察機内(CNN) ロシアがベラルーシから航空機を飛ばし、ウクライナでの航空作戦の大半を遂行していることが、ポーランド・ウクライナ国境上空の北大西洋条約機構(NATO)偵察機が収集する情報とレーダーの分析から明らかとなった。レーダーの内容はCNNも確認した。

CNNは10日、早期警戒管制機(AWACS)を使ったNATO軍の偵察任務に同行した。現地時間午前8時に離陸してから2時間以内に、同機のレーダーはロシア製の航空機十数機がベラルーシ国内でアイドリング状態にあるのを捉えた。NATOの戦術責任者、ドニ・ギョーム氏が述べた。こうした航空機はチェルノブイリ原子力発電所のすぐ北に検知された。

数時間後、レーダーは少なくとも9機のロシア製航空機がベラルーシからウクライナ領空に入るのを察知。キエフに向かって飛行したとみられる。

ロシアによる侵攻開始以降、NATO軍はウクライナ領空に侵入するロシア製戦闘機の「大多数」がベラルーシを起点としていることを確認したという。今回の任務の技術責任者がAWACS機上でCNNに対し説明した。

先週の特に「活発」だった日には、約20機がベラルーシからキエフに飛行するのを確認。ベラルーシを離陸したこれらの軍用機がウクライナ領空に入り、同国でのロシアによる軍事作戦を支援していると、同責任者は述べた。

ベラルーシ軍が直接紛争に加わり、ロシアを支援しているのかどうかについて、NATO軍は答えられないとしている。ベラルーシとロシアはともに同じソ連時代のミグ29戦闘機を使用しているため、その場でどちらの国がそれらを運用しているのかを判別するのは難しい。さらにウクライナ軍のパイロットもミグ29に搭乗していることから、ウクライナ領空がどの程度の紛争状態にあるのかも不明だとNATO軍は指摘する。

それでも一部には明白なものもある。例えばロシアの同盟国のベラルーシからウクライナへと飛行する戦闘機がウクライナ軍のものではないことは明らかだ。

CNN取材班が今回搭乗したAWACSは、NATO自体が所有する数少ない軍事アセットの一つであり、加盟国から提供されたものではない。計14機の機体が、毎週約20の任務を共同で遂行している。NATOから400キロ以上東方まで広範囲に偵察し、敵対的な航空機がNATO領空に向かってこないよう確認する。

ミッション自体は定期的に行われているが、ロシアによるウクライナ侵攻以降、特に「張り詰めた」ものになったと乗組員の一人はCNNに語った。NATOは過去数週間で東部の加盟国の防衛を一段と強化。この日の偵察飛行はとりわけ長時間に及び、空中給油を必要とした。

NATOのAWACSと同様、ロシアのスパイ機もベラルーシ上空を旋回しながら同様の偵察を行っていたと、この乗組員は指摘した。

ロシア側はNATO機のレーダーの妨害も図ってくるという。

AWACSで得た情報は表向きにはNATO加盟国のみで利用されることになっているが、ウクライナ政府への提供は行っているのかと質問したところ、前出のギョーム氏は「その質問には答えられない」ときっぱり断言した。

技術責任者も「現時点で唯一言えるのは、我々はNATOの同盟国として、データを加盟国と共有しているということだけだ」と述べた。

ただそうした情報を加盟各国がどう活用するかはそれぞれの裁量に任されていると、同責任者は一定の含みを持たせて付け加えた。

AWACSは情報収集だけでなく、必要があれば戦術行動を求めることもできる。10日の任務中にはNATO領域への脅威に備えて、ポーランド・ベラルーシ国境にいる戦闘機を統制していた。

ただ、いかなる行動も交戦規定に沿う必要があり、「我々は現在平時の姿勢にある」とギョーム氏は語った。

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