「テロ行為やめて」「我々も裁かれる」 ロシア兵捕虜たちの声
キエフ(CNN) ウクライナで捕虜になっているロシア軍兵士らがこのほど、首都キエフでの記者会見で心境を語った。CNNはさらに、そのうち3人の空軍パイロットに単独でインタビューした。
同国でこれまでに捕虜となったロシア兵は約600人とされる。このうち10人前後がウクライナ当局主導の会見に臨んだ。CNNは事前に同国内務省を通じてインタビューを申し込み、会見が終了した直後に3人から直接、ロシア語で話を聞いた。
兵士らがウクライナ側から何らかの圧力を感じている可能性はあるものの、CNNが取材した3人に発言を強要された様子はみられなかった。兵士らの声からは共通して、この戦争を望んでいないという心情が感じられた。
3人の中で主に話したのは、マキシムという名前の兵士だった。傷付き、青ざめた顔を見せながらもしっかりとした口調で、捕虜としての扱いに不満はないと語った。
ロシアのプーチン大統領が「ウクライナはネオナチに支配されている」と主張してきたことをどう思うかという質問には、「口実として作られた話だと思う」と返答。「ナチスもファシストも見当たらなかった。ウクライナの人々とは同じ言葉が通じるから、善良さが分かる」と話した。
「平和な市民たちの街が破壊されている。子どもの涙や罪のない人々の、子どもたちの死を正当化できるはずがない」と感情をあらわにした。南東部マリウポリのような街で何が起きているかを自分たちも知っていると述べ、「こんなことは許せない。産科病院を爆撃するなんて」と語気を強めた。
すると、アレクセイと名乗るもう1人のパイロットが静かな口調で「だれを、何を爆撃するかは私たちが決めるのではなく、命令されることだ」と話した。