侵攻のロシア軍、退役兵含め増強模索 6万人以上か 米分析
(CNN) 米国防総省高官は9日までに、ロシアがウクライナ侵攻軍の強化を狙い6万人以上の兵士の徴集を摸索している兆候があることを明らかにした。
新兵や退役兵で手当てするとみているが、この人数の達成が実現するのかは現段階では不明とした。また、これら集めた兵士の訓練の程度や配備先などもまだわかっていないと述べた。
ウクライナで消耗も伝えられるロシアの戦術大隊群を補強する、十分な訓練を終え、武装も十分な新たな部隊が投入された形跡はつかんでいないとも説明。ロシア軍の現在の戦闘能力については、ウクライナ侵攻に踏み切る前に準備していた水準の85%以下とも指摘した。
動員していた戦車、戦闘機、取り置いていたミサイルの量や兵士の人数などの要因を踏まえ、80~85%の水準と推定。侵攻作戦に伴って死亡したロシア軍兵士の総数については特定しなかった。
ロシア軍は軍部隊への後方支援や機能維持に関する問題を解決していないともみている。
この問題はウクライナの首都キーウ(キエフ)郊外に展開していた際にも判明していたとし、解決がなければ、迅速なスピード感を持ってウクライナ東部で部隊増強を進めることもかなわない可能性があるとした。
一方、ウクライナ軍参謀本部は、ロシア軍は兵士を補充する手段を探しているとの見方を示した。フェイスブック上で、ロシア軍の兵籍編入などの担当将校はこの問題の解決策を見つけるのに躍起となっていると明かした。
その上で、徴兵担当者らは現在、2012年以降の除隊者を改めて取り込んでいるとした。特に、運転手、整備士、偵察の専門要員や下級の司令官級の確保に努めているという。
参謀本部は、ロシアはウクライナと隣接するモルドバで分離独立運動が起きている地域内のロシアの旅券保持者をウクライナの侵攻軍に組み込む動きも見せているとした。ロシア軍は1990年代初期からこの地域に部隊を駐屯させている。
ただ、同地域はロシアとは国境を接しておらず、ロシア軍に相当な規模の人数を送り込めるのかは不透明とした。