ロシア軍が残した爆弾・死・破壊、帰還目指し不発弾処理 ウクライナ首都近郊
焼け焦げた車には「遺体」と書かれた紙が貼られていた。
戦闘の巻き添えになった人たちの遺体を収容する作業は終わりがないように見える。
キーウ郊外イルピンの墓地では、埋葬されたばかりの兵士や民間人の墓が何列も並んでいた。
軍は次々に遺体を埋葬している。ロシア軍は東部に兵力を集中させているが、戦争はまだ終わっておらず、時間的猶予はない。
テティアナ・ブリズニュクさんは夫の同僚に囲まれ、日没前に埋葬された夫を見送った。この日最後の、ウクライナ軍兵士の埋葬だった。
夫は別れ際、すぐに戻ると約束した。夫は砲弾によって殺されたと語るブリズニュクさんの目は、泣きはらして真っ赤だった。「彼を誇りに思います。彼は英雄です」
「あまりに恐ろしい。21世紀にこんなことがあり得るなんて、誰も思わなかった」とブリズニュクさんは訴え、戦争は「止めなければならない」と言い添えた。
キーウ周辺では何百万人もの人が、同じ痛みを感じている。ロシア軍の侵攻が残した死と破壊の様相は、一層鮮明になりつつある。