民家を襲った「フレシェット弾」、ロシア軍撤退後の町で無数発見 ウクライナ
イルピン西部の村で農業を営む男性も、自宅前の道路にフレシェット弾が散らばっているのを見つけたと話す。男性は妻と共に地下室に隠れていたが、自宅は砲撃されてほぼ全壊したという。
ウクライナの人権団体によると、キーウ郊外のブチャで殺害された犠牲者の遺体からもフレシェット弾が見つかった。
「法医学の専門家が、ブチャとイルピンの住民の遺体からフレシェット弾を発見した」と同団体は述べ、ロシア軍が住宅をフレシェット弾で砲撃したと主張する。犠牲者がフレシェット弾のために死亡したのかどうかは分からないとしている。
クリマシェフスキさんによると、フレシェット弾が雨のように降り注ぎ始めたのは3月5日だった。クリマシェフスキさんは自宅で窓から離れ、床の上に突っ伏していた。隣家に砲弾が当たったが、爆発はしなかった。
辺りは一面、金属片に覆われ、クリマシェフスキさんの車の窓は破壊された。
3月に戦闘が続くイルピンから逃れ、数週間後に戻ったという近隣の住民も、自宅の庭や屋根の上で無数のフレシェット弾を見つけたと話している。
ようやく自宅に戻ることができた女性は、例年と同じように庭の手入れをし、サラダ菜やタマネギなどの苗を植えた。
土を掘ると今でも、ロシア軍が住宅に向けて発射したフレシェット弾が見つかる。それでも女性は大好きなガーデニングをやめるつもりはないという。
「それほど広くはないけれど、去年はトマトを何百個も収穫して友人みんなに配った。今年はトマトが手に入らなかったけれど、ルッコラとタマネギ、それにいくらかの花がある」。女性はそう話している。