大気汚染などの公害、世界の死因の6分の1 国際委員会
(CNN) 大気汚染などの公害は、世界で2019年に早死にした人の原因のうち約6分の1を占め、戦争やマラリア、薬物、アルコールなどの死因を上回ったことが、英医学誌ランセット率いる国際的な専門家委員会「公害と健康に関するランセット・コミッション」の研究で明らかになった。
公害による死者は世界で毎年900万人に上り、そのうち特に大気汚染が死因の4分の3近くを占めている。
大気汚染と有害な化学物質による汚染を原因とする早死には、過去20年間で66%も増加した。背景としては、無秩序な都市化や人口増加、化石燃料への依存が挙げられる。
大気汚染により白い霧がかかったような状態になった北京=2021年11月5日/Jade Gao/AFP/Getty Images
筆頭著者のリチャード・フラー氏は「公害は今も健康に甚大な影響を及ぼしている。特に低中所得国への打撃は大きい」と指摘。しかし、公害の防止は「国際的な開発計画の中でほとんど見過ごされてきた」と語る。
大気汚染に続いて死者が多いのは水質汚染で、19年は136万人に及んだ。死因の3位は鉛汚染、4位は職場でさらされる有害物質だった。
同委員会は15年にも、米ワシントン大学保健指標評価研究所(IHME)を拠点とした大規模な健康調査「世界の疾病負担研究」のデータを基に、同様の研究結果を報告していた。