アルジャジーラ記者はイスラエル軍が殺害、パレスチナ検事総長発表
エルサレム(CNN) パレスチナ自治区を急襲したイスラエル軍を取材中に銃撃されて死亡した中東の衛星放送局アルジャジーラの記者について、パレスチナ自治政府の検事総長は26日、イスラエル軍に装甲を突き抜ける徹甲弾で銃撃されて死亡したことが分かったと発表した。
イスラエルのベニー・ガンツ国防相は即座にこれを否定した。
パレスチナ自治政府のアクラム・ハティーブ検事総長によると、アルジャジーラのシリン・アブアクレ記者は、銃撃のあった方向から逃げようとしていたところ、5.56ミリ弾が頭部に当たり、脳組織が損傷して死亡した。
この弾丸には、特殊な徹甲弾に使われる鉄片が含まれていた。
解剖はパレスチナのナブルスにあるアルナジャ大学で行われた。
パレスチナ自治政府もアルジャジーラも、イスラエル軍が意図的にアブアクレ記者を殺害したとして非難している。アブアクレ記者は殺害された11日、ヨルダン川西岸のジェニンを急襲したイスラエル軍を取材していた。
目撃者の証言や音声解析、爆発物の専門家の話に基づくCNNの調査報道でも、アブアクレ記者はイスラエル国防軍(IDF)の標的にされたとみられることが分かっている。
これに対してIDFは、誰がアブアクレ記者を殺害したのかは分かっていないと反論。アブアクレ記者を撃ったのは、無差別に発砲したパレスチナの武装勢力か、撃ち返したIDFのいずれかだったと主張した。IDFも捜査を行っているが、犯人を特定するためには致命傷となった銃弾が必要だとして、銃弾などを引き渡すようパレスチナの捜査当局に要請。イスラエルは進んで国際捜査に協力すると強調している。