ロシア、クリミアへの「陸の回廊」開通と主張 ウクライナの占領地域を通過
(CNN) ロシア国防省は7日、ロシアの占領下にあるクリミア半島へとつながる陸の回廊が開通し、民間人や物資がウクライナ東部のロシア支配地域を通過できるようになったと主張した。
ロシアのショイグ国防相は記者会見で、軍はロシア鉄道と協力して1200キロに上る線路を修復し、ロシアとウクライナ東部のドンバス地方、2014年に併合したクリミア半島の間での「完全な往来」を可能にする道を開設したと説明した。クリミア半島の生命線である北クリミア運河を通じた水の供給も再開されたという。
公式記録に記載されたショイグ氏の発言によると、この陸の回廊により、ロシアはマリウポリやベルジャンスク、ヘルソンといったウクライナ南東部の港湾都市への物資供給を開始できるようになった。ロシアは2月下旬の侵攻開始後、これらの都市を制圧した。
数カ月にわたるロシアの港湾封鎖で数百万トンの穀物がウクライナ国内に滞留し、国際的な非難が寄せられている。ショイグ氏はマリウポリとベルジャンスクの港は正常に稼働しており、穀物を輸送する用意が整っていると主張した。
「最高司令官(プーチン大統領)の指示通り、我々はこうした港湾で穀物を積み込む用意ができている」としている。
これに先立ち、ロシア大統領府のペスコフ報道官は同日、穀物を積んだ船が通過するにはウクライナが沿岸海域の機雷を除去する必要があると改めて発言。ロシアは穀物船の航行を支援し、機雷が除去された海路をウクライナの攻撃に使うことはないと述べていた。
ペスコフ氏によると、プーチン氏はウクライナが港湾への進入海域に設置された機雷を除去すべきだとの見方を示している。そうすればロシア軍による武器輸入の検査を経て船が入港し、穀物を積んで公海に出ることが可能になるという。