男性殺害の映像がネットで拡散、宗教対立再燃 インド
ニューデリー(CNN) インドでヒンドゥー教の男性がイスラム系の2人組に殺害されたとする映像がSNSで拡散し、全土で宗教対立が再燃している。
インド西部ラジャスタン州ウダイプルの当局は夜間外出禁止令を出し、問題の映像の拡散を食い止めるためにインターネット接続を遮断した。
問題の映像には、男2人が被害者を襲撃する様子が映っていた。イスラム系の男2人が犯行を認め、ヒンドゥー教の男性の首をはねたと供述したとされる映像もあった。しかし29日にCNNの取材に応じた同州の警察によれば、被害者は首をかき切られた傷を含めて全身傷だらけだったが、首ははねられていなかった。
インド内相は29日、テロ事件を担当する国家捜査局に今回の事件の捜査を指示したと発表した。
警察によると、容疑者2人が被害者の男性を殺害したのは、イスラム教の預言者ムハンマドを侮辱したとして停職処分になった与党・インド人民党(BJP)の報道官を支持する投稿が、この男性のSNSに掲載されたことがきっかけだったとされる。
被害者の男性は今月12日、「宗教的感情をあおった」として逮捕され、後に保釈されていた。
ラジャスタン州首相は28日、容疑者2人は逮捕され、捜査が続けられているとツイートした。
州当局は警官600人以上を現地に配備。州首相は問題の映像を見ないよう市民に呼びかけ、平静を訴えた。
インドで多数派のヒンドゥー教徒と少数派のイスラム教徒の間では以前から対立が深まっていた。インドの人口13億人のうち、イスラム系は約14%を占める。