プーチン政権から離反の元高官、欧州で入院 神経障害症状など
(CNN) ロシアのプーチン政権と今年3月にたもとをわかっていた元高官が神経障害などを発症する「ギラン・バレー症候群」を患い、欧州諸国の病院に入院していることが4日までにわかった。
ロシアの著名ジャーナリストのクセニア・サプチャク氏が明らかにした。病院がある国は不明。
この元高官は環境問題に関する大統領特別代表を務めていたアナトリー・チュバイス氏。ロイター通信は2人の消息筋の情報に基づき、チュバイス氏はウクライナ侵攻が原因でロシアを出国したと伝えていた。
ロシア大統領府は今年3月、同氏の辞任を確認。国営タス通信によると、チュバイス氏は2020年4月以降、特別代表の職務に就いていた。
サプチャク氏は、接触したチュバイス氏の妻の話として、「夫の状態は不安定で、突然気分が悪くなる症状が出る。手足の感覚がなくなり始めている」と明かしたと述べた。
サプチャク氏はロシア・サンクトペテルブルク市のアナトリー・サブチャク元市長の娘で、アナトリー氏はプーチン大統領の政治的な助言者ともされる。サプチャク氏は18年のロシア大統領選の候補者で、ウクライナ侵攻を含めたプーチン氏の国政運営に批判的な姿勢を示してきた。
サプチャク氏はチュバイス氏が直接話した内容として、欧州内のクリニックの一つに入院し、「ギラン・バレー症候群と診断された。症状は中程度で安定している」とも説明した。
米疾病対策センター(CDC)によると、同症候群の発症はまれとしている。
チュバイス氏は1990年代、エリツィン元大統領の下で頭角を現していた。プーチン氏が権力を掌握後、政敵と見なした時期もあったとされ、99年の一連の会見ではチュバイス氏が就任を打診された大統領府の職位を退けたことにも触れていた。
チュバイス氏は近年、経済改革を公の場で要求し続け、プーチン政権内に残るわずかなリベラル派の一人とも目されていた。