解放されたイジューム、インフラの8割破壊 ウクライナ
(CNN) ウクライナ北東部ハルキウ州で最近ロシア軍からウクライナ軍が奪回したイジューム市について、インフラの8割以上が破壊されていることがわかった。市議会のストレルニコウ議員が12日、明らかにした。ウクライナでは数カ月先に冬が迫っている。
ストレルニコウ氏によれば、ウクライナ軍は先週末のイジュームの奪還後、状況の安定化に乗り出している。
避難した住民は自宅に戻りたがっているものの、複数階の建物や民家、企業、政府機関、教育機関、工場など市のインフラの8割以上が破壊された。住民の多くが冬に利用しているセントラルヒーティングシステムも損傷したという。こうした事態が地元当局にとっての課題となっている。
ストレルニコウ氏によれば、戦闘によって少なくとも1000人の市民が死亡した。ロシア軍が3月に医療施設を破壊したため、多くの人々が医療を受けられていない。ロシア軍が全ての薬局で略奪を行ったため医薬品の入手もできないという。ストレルニコウ氏は医療を喫緊に必要としていると述べた。
ストレルニコウ氏によれば、女性と子どもの避難を最近行ったが、市内には約1万人が残っている。ストレルニコウ氏は冬に備えるためにできることは全て実行したいと述べた。
イジュームはウクライナ軍の支配下にあるものの、前線は遠くない。約40キロ東に位置しているリマンでは戦闘が行われている。親ロシア派の「ドネツク人民共和国」の当局者は12日、テレグラムへの投稿で、同市はドネツク人民共和国の民兵などが完全に支配しており、比較的平穏だと明らかにした。