ロシアの動員兵、訓練や装備が貧弱 ウクライナ大統領
(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領は30日までに、ロシアによる退役兵らが対象の部分的な動員令に関連し、「(これらの)新たな部隊は戦闘への準備が不足している」と戦力になっていないとの判断を示した。
28日の国民向け演説で述べた。ロシア側が同日、部分的な動員令が完了し、戦闘の前線への新たな国民の派兵は不必要とする発表を受けた発言となっている。
ゼレンスキー大統領は「前線では(ロシアの言い分とは)全く反対の状況が生じている」と主張。ロシアは動員兵を使ってウクライナ軍の陣地への圧力増大を試みているが、訓練の程度や与えられた装備品が貧弱と切り捨てた。
司令部による動員兵の投入の仕方も非常に冷酷で、「新たな兵員を戦争に駆り出す必要がいずれあることを示唆している」と断じた。
ロシアのショイグ国防相は28日、プーチン大統領との会談で部分的な動員令は完了したと報告。目標としていた30万人の動員も完遂したと述べた。
ロシア内では動員令の発動後、抗議活動が起き、少数派民族を狙った不公正な徴兵が起きているなどとする人権擁護団体の非難も出ていた。
これら動員兵は南部ヘルソン州、東部のルハンスク、ドネツク両州の防衛戦に配置されているとの情報が出ている。いずれもロシアが先に一方的に併合した州で、動員兵は「使い捨て」の形で戦線に駆り出されているとの指摘もある。
ウクライナではヘルソン州の戦況の推移が焦点の一つとなっているが、同国軍は先にロシアは最多で1000人の動員兵を州内を流れるドニプロ川西岸に送り込んだと報告。SNS上でヘルソン市の防御を図るための措置と位置づけていた。